2011・1211式機関銃
 
 装弾数36発のフルオート専用機関銃です。以前から二脚を備えた本格的機関銃を作ってみたいと思っていましたが、弾丸のゴムだけで作動させることがやっとできました。装段数が多いことからガトリング型も検討したのですが、外力に頼らずに発射するのは難しいと判断し、別の方式を選びました。
 全長91cm。装弾数No.16輪ゴム×12発×3。有効銃身長16cm。
 
 羽根に巻き上げる巻き上げ式では装弾数に限界があります。大体余裕を見て12発程度ですが、2脚をつけた機関銃らしくできるだけ装弾数を増やすため、2010・0907式機関拳銃を縦につなげたような構造にしました。連続的に発射するため参考にしたのがこちらです。初めてこちらを見てから遅延装置を組み込めば簡単にフルオートにできるだろうと思ったのですが、機関部の各部品の干渉を防ぐのが難しく、開発を着手してはあきらめてを繰り返してきました。完成まで4年の歳月が必要でした。遅延装置の低コスト化と小型化が役立ちました。
 
 
 射撃動画を是非ご覧ください。途中で機関部が切り替わる様子が確認できます。
 
 各機関部の基本的な動作は、2010・0907式機関拳銃を見て頂ければわかると思います。実は先行して試作した銃は機関停止を繰り返すため、原因究明に手こずりました。
 試作では単純に2010・0907式機関拳銃の機関部を縦に並べた位置関係にし、前方にある機関部を飛び越えてゴムを撃つために銃口だけ上に設計していました。2010・0907式機関拳銃は極端なバランスを崩した遅延装置である関係で、強力に遅延装置の抵抗が発生する位置で羽根が最高の駆動力を発揮し、次弾を駆動力が十分発生する位置まで送り込む設計にしていました。ところが、試作では銃口の位置が上に上がり早く発射してしまうようになり、次弾を十分な駆動力を発揮できる位置に送り込めなくなったのが機関停止の原因でした。
 やむをえず試作を潰し、機関部の羽根と遅延装置の位置関係を銃口に合わせ、仮想的に斜めに配置し安定した作動が実現できました。
 機関部を単純に三階建てに配置することを、開発初期には検討しましたが、着弾位置に機関部ごとにずれが出るのはいずれにしても避けられず、見かけもまとめにくかったので、今の方式に落ち着きました。
 仮想的に機関部を斜めに配置しているため、やや上向きに着弾する傾向があります。またこの方式には有効銃身長を稼ぐと構造上銃が長くなる欠点があります。実際に撃った感覚ではイメージよりやや上方に着弾しますが、意外と各機関部ごとの着弾位置の違いは気になりませんでした。
 
 
 この銃では後ろの機関部から順番に、前の機関部へ発射していきます。一番後ろと真ん中の機関部の銃口は次に動く機関部の固定具になっています。引き金は三つの機関部が連動していますが、固定具が効いて同時には発射できないわけです。固定具は銃口にゴムがなくなるとはずれます。
 試作では固定具を通常の引き金同様、力がかかればかかるほど安定する設計にして、バネで解放していましたが、思った以上に強力な固定力が働き解放のため強力なバネが必要になり、バランスが取りづらくなりました。最終的に固定具をやや不安定に設計しても弾丸のゴムでしっかり固定できることがわかったので、バネを省略しています。解放された固定具が仮に羽根に接触しても止まることはありません。
 
 固定具の効いた待機状態の機関部の羽根ですが、ほぼ水平を保つよう設計しています。稼働中の機関部から発射された弾丸が飛び越えやすくするためです。
 
 固定具のかかっていない稼働中の機関部の羽根は、停止していても斜めになります。装弾する際には一番後ろの機関部を除くと、12発装弾した後さらに水平になるまで羽根を回し、直後の機関部に一本ゴムを装弾し固定具を掛けるか、12発装弾した後、直後の機関部に一本ゴムを装弾してからゆっくり水平になるまで羽根を回し固定具がカチッと音を立てて固定するまで回します。あとは繰り返しです。
 
 実際に指で引く引き金と、連動して動く内蔵された引き金があり、それぞれを針金でリンクさせています。引き金を戻すバネは一番前の内蔵された引き金にあります。
 
 
 
 二脚は簡単な固定装置を設けました。固定装置を回すだけで解放したり固定したりできます。開いた状態と閉じた状態で固定できます。バネで固定する方法などいろいろ考えましたが、単純な方法になりました。
 
 二脚を備える機関銃としては36発と控えめな装弾数ですが、ゴムの装弾だけで作動することと既存の部品が使えコストを抑えられたので満足しています。発想は単純ですので故障も少ないと思います。
 
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