2012・0821式短機関銃
 
 装弾数20発のセミオート(引き金を引くごとに一発ずつ発射)、フルオート(引き金を引いている間連続して発射、いわゆる機関銃)の切り替え機構付き短機関銃です。久しぶりに新規設計したラワン合板切り抜きで作成する銃です。今後量産向きの構造の銃を開発するつもりですが、独特の風車型の羽根を開発してちょうど10年目ということで、従来標準だった12発から20発に装弾数を増やすため既存の技術の延長線ですが各種の工夫を凝らしました。
 遅延装置はほとんど改良していませんが、あっという間に全弾撃ち尽くしてしまうことはなく、強力な遅延装置により20発装填時でもかなり低速で回転します。
 全長52.5cm。装弾数No.16輪ゴム×20発。有効銃身長16cm
 
 
 射撃動画を是非ご覧ください。フルオートの持続時間が長くなり標的をなぎ倒すのが多少楽になりました。
 
 羽根に巻き上げる巻き上げ式では装弾数に限界があります。限界を決定づける一つの要因として羽根の左右の隙間の幅が大きく影響します。従来は余裕を見て12発程度としていましたが、無茶をすると20発程度装填できることは確認されていました。ただし銃がひずむことや弾のゴムが切れること等問題があり安全性を確保できないため絶対やって欲しくありません。
 今回20発に装弾数を増やすため羽根の左右の隙間の幅をかなり大きくしています。12発では両側合わせて6.5mmですが、この銃では17.5mmまで拡幅しています。無理をすると24発程度は入りますが経年劣化等安全性を考え20連発としました。
 独特の風車のような羽根は発射寸前にゴムを他のゴムから引きはがす動作を起こしますので多弾装填でもゴムが癒着しにくく有利に働いています。
 
 この銃では銃口部を10年以上前の形状に戻しました。最近はピン式を多用していましたが、狭いフックにゴムが20発も掛かると絡まりやすく、また劣化したゴムではくっついてどうしようもないため、整然と並べて掛けられる写真の形状に戻しました。写真の状態で16発、後4発程度は適当に装弾して問題なく撃てます。
 
 定番のセレクターです。この位置ですと羽根を一発ずつ受け止めセミオートで作動します。
 
 この位置ですとセレクターは羽根を制御せずフルオートとなります。
 
 さて機関部の内部ですが、特徴的なのは引き金の軸から下端までが非常に長いことです。20発にもなると圧力が高いためセミオートでの制御が非常に困難になります。実はフルオート専用なら20連発はすぐ作れる程度の物だったんですが、セミオートの信頼性がなかなか確保できず今まで手をつけていませんでした。引き金の軸から下端までが非常に長いのは引き金の引き代を延ばし意図しない2点射を防ぐためです。単純に引き金を戻す力を強くすれば安定するとは思いましたが、あまり好きな手法ではないし、引き金が重くなり使い勝手が悪いし、経年劣化も心配なので採用しませんでした。
 またこの銃より前に試作を2丁作ったのですが、引き金の軸から下端までを延ばすのみだったため十分引き金の引き代が延びず部品が摩耗してくると意図しない2点射を起こしました。この銃では引き金の軸から羽根に当たる面までの距離も可能な範囲で短縮し、引き金の引き代を増やすことに貢献しています。結果として引き金を戻すゴムを外しても20連発以上セミオートで制御できる能力を持つことができました。
 この銃が20連発にできたのは元々羽根が4cm四方の四角から加工する大きな物であったことも起因しています。元々2枚から三角、三角から四角と制御に使える領域が狭くなりますので、セミオートを安定させたければ大きな構造でつくって制御できる領域を確保した方が楽です。デザインを考慮するとなかなか難しい問題ですが。
 結果的に、弾倉交換ができないため単純な比較はできませんが、一応BARや7.62mm時代のアサルトライフルなみの装弾数が確保でき、満足しています。上を見ればきりがありませんがシンプルな構造で20連発ができたので当面遊べそうです。
 
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